2008 Fiscal Year Annual Research Report
水力学的骨格を利用した流体駆動式完全密閉型柔軟移動ロボットの開発
Project/Area Number |
19760168
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 仁 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (60376944)
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Keywords | 全密閉構造 / 柔軟構造 / 水力学的骨格 / 狭隘地形探査 / レスキュー |
Research Abstract |
本研究は従来にない構造を持った柔軟で密閉型の狭隘地形用移動ロボットの開発を行っている. このロボットは柔軟なシートを筒状にして, 更にその両端を接続して二重のループ構造を持ち, この二重ループ構造のシートを柔軟なクローラで駆動することで柔軟性と密閉構造を保ったまま, ワイヤレスな動作が可能となるものである. 本年度は移動ロボットMOLOOPも含めた水力学的骨格を利用した機械システム全般の設計指針を得るため, HSクローラの駆動力発生のメカニズムの解析を主に行った. HSクローラのような大変形は計算が困難であることからこれまでほとんど行われていなかったが, 近年の解析ソフトの進歩で多少の大変形は解析が可能になって来ている. 有限要素解析ソフトABAQUSの陽解法と陰解法それぞれを利用した結果, 0.02MPa程度までの圧力領域ならば解析が可能であることを確認した. また, 0.01MPa以下の圧力領域ではHSクローラのモジュールの発生力の解析結果と実験による測定値はほぼ一致することを確認した. このような成果はこれまでほとんど発表されておらず, 柔軟な機械システムを構成するための設計指針として重要であると考えられる. 今後より大きな駆動力の利用が考えられるため, 解析および実物による高圧力の水力学的骨格系の構成を目指す予定である. 実験の結果これまで用いてきたウレタンゴムシートではこのような大きな駆動力の発生は不可能であることが解った. 今後は大出力の水力学的骨格の構成には人口筋肉などに利用されている繊維で補強した素材などの利用を検討している.
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