2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマイクロツールの光ピンセット操作による閉空間内の局所環境計測
Project/Area Number |
19760170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 央峰 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60377843)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 光ピンセット / ナノバイオ |
Research Abstract |
本年度は, マイクロチップ内における局所環境計測を目的として, レーザによる非接触操作手法である光ピンセットにより駆動する計測プローブの作製と評価, 及びプローブのマイクロチップ内への局所投入方法に関して研究を行った. 計測プローブとして, ポリエチレングリコールを主成分とする親水性光硬化性樹脂を電解質溶液中で凝集して作製したゲルツール内にpH指示薬や温度感受性蛍光色素を内包した温度計測ゲルツールを用いて細胞周辺の局所環境計測を行った. 昨年度に実現した単独の指示薬の利用では困難な広範囲でのpH計測や温度やpHといった複数の環境要素の同時計測をより効果的に細胞計測に応用するため, 電解質濃度調整とUV照射によるゲルツールと細胞, ガラスとの不可逆固定とフォトクロミック材料のスピロピランをゲルツールに導入しUV/VIS照射による可逆細胞固定によるオンデマンド細胞付着制御を実現し, 計測ゲルツールの細胞への任意の付着を実現した. 計測ツールをマイクロチップ内に局所的に投入する手法としてゲルツールの材料であるポリエチレングリコールの非特異吸着を抑制する性質を用いて, マイクロチップ底面のガラス基板に加工した微小な溝パターンへの表面張力を用いた自己組織的導入と光ピンセットによる溝パターンからの投入・回収操作によるゲルツールの局所投入法をマイクロチップに組み込み, マイクロチップ内でのオンデマンドでの計測ゲルツールの局所投入を実現した. 本年度は昨年度に実現した大きさ数μmの環境計測用ゲルツールによる複数環境計測及びゲルツールの任意形状への組み立て技術をより効率的にマイクロチップ内での細胞計測に適用するためのオンデマンド細胞付着と計測ゲルツールのマイクロチップ内への局所投入・回収を実現し, 本研究課題が目的とするマイクロチップ内の微小閉空間における局所環境計測の基盤技術を構築できたと考える.
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Research Products
(7 results)