2007 Fiscal Year Annual Research Report
単一マスク傾斜UV露光法を用いた三次元複雑構造の作製とマイクロミキサへの応用
Project/Area Number |
19760172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 孝明 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (10378797)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / フォトリソグラフィ / 流体工学 |
Research Abstract |
単一マスク傾斜UV露光法を用いた3次元マイクロ流路作製プロセスは、(1)CADを用いたマスク設計、(2)EB露光機によるマスクブランクスを用いたマスターマスク作製、(3)基板となるメタル製コピーマスク作製、(4)フォトレジスト遠心塗布、(5)溶剤揮発のためのプリベイク、(6)傾斜露光、(7)重合促進のためのポストベイク、(8)現像、(9)リンス洗浄の手順で構成される。本年度は、MEMSプロセスで良く用いられる永久構造用厚膜ネガティブフォトレジストSU-8(化薬マイクロケム社製)を用いた基礎実験により、マスク上に直接1段目の構造(マイクロ流路とオリフィス)を作製した上に、2層目をさらに直接遠心塗布し、基板に残る同一のマスクパターンにより2層構造のマイクロ流路の作製を行った。特に、多層構造化および寸法精度の向上のため、UV強度測定のためのデジタル紫外線強度計、プリ・ポストベイクの温度管理のためのプログラムホットプレートを用いて、プロセス条件の最適化を行い、一層目のマイクロ流路として、幅10μm、2層目のマイクロ流路として、幅20μmのマイクロ流路を作製した。また、複雑多層構造のマイクロ流路群からなるマイクロミキサの基本構造の試作として、2層流を生成するマイクロミキサ形状を作製した。また、数値解析ソフトウエアMATLABを用いて、露光パターンエミュレータの開発を開始し、数値計算によって作製した基本構造が再現可能であることが分かった。今後エミュレータの精度を向上することによって、提案する露光技術の広範囲な応用、さらなる微細化が期待できる。
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