2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一マスク傾斜UV露光法を用いた三次元複雑構造の作製とマイクロミキサへの応用
Project/Area Number |
19760172
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 孝明 Kagawa University, 工学部, 准教授 (10378797)
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Keywords | マイクロ流体システム / microTAS / フォトリソグラフィ / マイクロミキサ |
Research Abstract |
本研究では、単一のマスクパターンからアライメントレスで複雑な3次元構造を作製するフォトリソグラフィ法を提案するとともに、提案するプロセスの具体的な応用例として3次元多層流を用いた高速マイクロミキサの試作・評価を行った。提案するフォトリソグラフィ技術は、遮光用のメタル層がパターニングされたガラス基板に紫外線硬化性樹脂を直接塗布し、裏面から紫外線を傾斜露光することによって、単一のマスクパターンから3次元的な構造を作製する方法である。特に、従来のMEMSプロセスの問題点として経験に頼ることが多かったボンディングプロセスが不要となり、簡単・高速にこれまで作製困難であった複雑な構造を作製できる点が大きな特長である。昨年度までの基礎実験により、オリフィスと埋め込み型マイクロ流路を含む2層構造が作製可能であることを確認していたが、本年度は、更なる微細化および寸法精度の向上のため、プロセス現象の解析と条件最適化について検討するとともに、昨年度作製したマイクロミキサの基本構造である多層構造のマイクロ流路群からなるマイクロミキサの評価を行った。埋め込み型マイクロ流路の現像プロセスにおける流路途中での閉塞を解消するために、現像・リンス時間と流路側壁凹凸形状の関係について検討し、製作条件の最適化を行った。また、マイクロミキサの混合特性については、蛍光色素濃度の異なる2種の液体をシリンジポンプで送液し、共焦点レーザー顕微鏡により3次元な流れ場中での混合を観察し、試作したマイクロミキサの有用性を確認できた。
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