2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ディスク表面の潤滑液体超薄膜によって形成される液体架橋の動特性の測定
Project/Area Number |
19760183
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Research Institution | Aichi Konan College |
Principal Investigator |
大島 康司 Aichi Konan College, 教養学科, 准教授 (60293651)
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Keywords | 磁気記録 / トライボロジー / ナノ薄膜 / 高分子潤滑剤 / 紫外線照射 / 減衰振動 / マイケルソン干渉計 / 超高速ビデオカメラ |
Research Abstract |
磁気ディスク装置の高記録密度化にともなって, ヘッドとディスク問のすきまが狭小化され, 接触走行をも考慮した潤滑技術が必要となっている. そのため両表面を保護するための潤滑剤にも新たな機能が求められており, 紫外線(UV)を用いてディスク表面への潤滑剤の固着(ボンド)状態を制御する方法が提案されている. そこで, 本年度はこれまでに開発した装置を用いて市販の磁気ディスク装置と同等の2nm厚さの潤滑剤を対象として実験を行い, 下記の成果を得た. 1. ナノ薄膜潤滑剤におけるばね定数と減衰係数の測定 膜厚2nmの潤滑剤に対して, 触針とディスク表面の間に潤滑剤による架橋を形成した状態のまま階段状に架橋を引き延ばし, ばね定数と減衰係数を測定した. ばね定数は-0.01〜-0.3N/m, 減衰係数は0.01〜0.06N/mとなり, 厚膜の場合よりも小さくなることを確認した. また, UV照射を施した潤滑膜に対しても測定し、UV照射がばね定数と減衰係数に影響を与えることを確認した. 2. 凝着力と伸び量に対する紫外線照射の影響の測定 UV官能型のPFPE AM3001と非UV官能型の同Z03を用いて照射時間を変化させて測定を行った. AM3001の凝着力については, ボンド率の増加に対して約30nNでほぼ一定であったが, Z03では約70nNから約30nNまで徐々に減少した. また, AM3001の伸び量は、ボンド率の増加に対して50〜100nmの間で増減したが、Z03はボンド率0.4までの間は約210nmまで上昇し, その後は70nmまで減少するという結果を得た. 3. 紫外線照射を用いた化学的テクスチャ表面の測定 くし状のマスクを介してのUV照射によたて形成した化学的テクスチャ表面について、凝着力と伸び量を測定した. ボンド状態と非ボンド状態のテクスチャの違いが測定でき, 伸び量については全面照射の場合と異なる傾向があることを確認した.
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Research Products
(3 results)