2008 Fiscal Year Annual Research Report
三対6筋の協調制御パターンによるヒトの歩行パターンの数値化に関する研究
Project/Area Number |
19760184
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
藤川 智彦 Osaka Electro-Communication University, 医療福祉工学部, 准教授 (80321420)
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Keywords | 三対6筋 / 二関節筋 / 一関節筋 / 協調制御パターン / 軌道制御 / 歩行 / 筋電図 / 床反力 |
Research Abstract |
本研究はヒトの歩行パターンの定量的な評価の指針を明らかにするために, 生体特有の二関節筋を含めた三対6筋, すなわち, 下肢大腿部における股関節の拮抗一関節筋ペア, 膝関節の拮抗一関節筋ペア, 股関節と膝関節に同時に関与する二関節筋ペアの筋配列に着目し, この三対6筋の協調制御パターンと歩行時の足関節の軌道の関係をロボット工学的な理論解析により算出した. また, その結果を基に, ヒト歩行時の動作筋電図学的解析をおこない, 理論解析結果との整合性を確認した. ここに用いた三対6筋の協調制御パターンは静的条件下における最大努力時に発生する力の方向制御をおこなっている筋の収縮パターンであり, 出力方向に対して拮抗筋ペアごとに順次活動の交替をおこなうパターンである. ここでは, この活動パターンから日常動作時である最大努力以下の協調制御パターンを理論的に算出し, そのパターンを用いて足関節の軌道を求めた. さらに, ヒトの歩行時の離床から遊脚期における足関節で発生するトルクを無くすため, 着床させない状態で模擬歩行をおこない, そのときの筋活動を計測した. これらの結果により, 模擬歩行中の活動筋は大腿直筋, 内側広筋, 半腱様筋の3筋が主働筋となっていることが明らかになり, 下肢大腿部の三対6筋内のその3筋を活動させた最大努力以下の協調制御パターンによる軌道を算出すると, ヒトの歩行の軌道と非常に類似していることが明らかになった. これより, 三対6筋を有するリンク機構というハードウェアと筋の協調制御パターンというソフトウェアは歩行にも大きく関与していることがわかった.
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