2007 Fiscal Year Annual Research Report
三相一体構造可変インダクタの開発と系統電圧安定化装置への応用に関する研究
Project/Area Number |
19760188
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70323061)
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Keywords | 三相一体構造可変インダクタ / 無効電力補償 / 系統電圧安定化 / 磁気回路解析 |
Research Abstract |
平成19年度においては、筆者が考案したリラクタンスネットワーク解析(RNA)を用いて、提案する三相一体構造可変インダクタの動作解析を行うとともに、定格容量4.OkVAの実証器の設計と試作,さらに基礎特性の試験を行った。 まず、RNAによる解析によって、新たに考案した三相一体構造磁心が可変インダクタとして動作することを明らかにした。さらに、基礎特性を算定したところ、この三相一体構造可変インダクタは良好な制御特性を有し、かつ出力電流はほぼ正弦波になることが明らかになった。次いで、定格容量4.OkVAの三相一体構造可変インダクタの設計を行ったところ、従来の同容量の単相構造の可変インダクタと比べて、おおよそ30%程度の軽量化が図れることを明らかにした。系統電圧安定化装置への応用を考えた場合、定格容量300kVA程度で従来機器では4t程度であることから、仮に30%の軽量化が実現できれば、機器重量を3t以下まで抑えることができる。 上述の解析・設計結果に基づき、設計した三相一体構造可変インダクタを実際に試作した。基礎特性の試験結果から、試作した三相一体構造可変インダクタが無効電力を線形かつ連続的に制御できること、全制御範囲にわたって出力電流がほぼ正弦波になることが明らかになった。さらに、事前に行ったRNAの解析・設計結果との比較により、計算値と実測値が良好に一致することが明らかになった。このことは、筆者が考案したRNAが可変インダクタの解析・設計に極めて有用であることを示唆している。
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