2007 Fiscal Year Annual Research Report
広域位相計測に基づく電気エネルギーシステムオンライン適応制御
Project/Area Number |
19760198
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 政幸 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 准教授 (90398115)
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Keywords | 電力系統 / 系統制御 / 位相計測 / 安定度 / 電力系統安定化装置 |
Research Abstract |
電気エネルギーシステムにおける系統制御の一方法として,位相計測に基づく系統安定化装置(PSS: Power System Stabilizer)の適応的なオンライン調整による系統広域安定化方法を検討した。平成19年度における検討項目と得られた成果を以下にまとめる。 1.広域位相計測に基づく制御系調整手法における簡略動揺モデルの高精度化 位相計測データを利用した系統安定化装置調整による系統安定化制御方式において,観測量に基づいて構成される低次簡略動揺モデルの精度向上を図るため,モデル表現の改善を検討した。従来考慮されていなかった発電機端子電圧に関する状態が制御系調整に伴って不安定となる問題に対し,この情報を含むモデル構成を新たに考案し不安定化を防ぐ方策を検討した。シミュレーションによる解析で良好な結果が得られることを確認した。 2.自系統内データを用いた安定度監視・制御系調整方法の検討 連系系統全体にわたる広域計測によらずとも自系統内における観測データを利用して信号処理方法を工夫することで,弱制動の長周期電力動揺特性の抽出が可能であり,広域計測で得られるデータと同程度の精度で電力動揺の安定度評価が可能であることを明らかにした。これを利用して,自系統内データを利用した制御系調整手法へ適用した結果,有効な制御効果が得られることを確認した。得られた情報を他の系統運用情報と組み合わせて利用することで,より柔軟な系統監視・運用・制御が実現できる可能性を明らかにした。
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