2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760199
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
西嶋 仁浩 Oita University, 工学部, 助教 (50363544)
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Keywords | 電力工学 / 省エネルギ / 電子デバイス・機器 |
Research Abstract |
平成19年度においては、ノートパソコンに搭載されるマイクロプロセッサ用電源として、コンデンサ追加型の3相式降圧型コンバータの検討を行った。多層基板を用いた試作、高精度な測定システムによる評価を行った結果、 1、マイクロプロセッサの低電圧化に対応できる (降圧比が従来方式の3倍得られる) 2、半導体スイッチ素子の負担が小さい (スイッチングする際のドレイン・ソース間電圧が3分の1になる) 3、出力平滑コンデンサの電流負担が少ない (従来の5相方式と同等の電流リップル削減効果:40%程度削減) 4、電流制御回路が不要 (並列接続した電源間を流れる電流が自動的にバランスされる) 等が実験により確認できた。さらに、考案方式の詳細な解析を行うことで、電圧変換率、平滑コンデンサの電流リップル、スイッチ素子の導通損失、コンデンサの容量や内部直列抵抗(ESR)の影響、電流バランスの原理、負荷応答特性等が明らかになった。電力効率については、ノートパソコンがACアダプタで動作しているモード、及び、バッテリーで動作しているモードのどちらにおいても、従来の3相式降圧型コンバータに比べて軽負荷時に5%程度の改善が得られた。これらの研究成果は、査読付きの国際学会で2件の発表を行っている。今後は、 1、スイッチング周波数の高周波化(現在の400kHzから1MHz以上へ) 2、回路の基板パターンの最適設計 3、最適な部品の選別 を行い、より実用化に近いレベルでの比較評価を進める。なお、これらの成果は、20年度中にまとめ、雑誌論文へ投稿する予定である。
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