2008 Fiscal Year Annual Research Report
同期機の塊状磁極表面損失の現象解明と計算精度向上に関する研究
Project/Area Number |
19760203
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
島 和男 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 講師 (20410285)
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Keywords | マイナーループ / 表面損 / 同期機 / 塊状磁極 / 偏磁 / 表皮効果 / 環状試料 / 増分透磁率 |
Research Abstract |
同期機の設計においては, 塊状鉄心磁極の表面損を精度良く評価することが重要である。このため,表面損の高精度計算法の確立が望まれている。これが実現すれば,同期機の電力効率向上・設計期間短縮・磁極過熱防止・構造改善に寄与できる。 そこで当該研究では, 基礎検討として表面損の計算精度向上方案の探索を進めた。第1に,塊状鉄心磁極の近似モデルとしてリング試料を採用し, 以下の項目を実施した。(1) 試料のヒステリシス損特性と増分透磁率特性を測定により明らかにした。(2) このヒステリシス損特性に基づいて,表面損失に含まれるヒステリシス損の割合を概算する方法を構築した。この結果, ヒステリシス損の割合が約3割と無視できないことを明らかにした。計算精度向上のためにはヒステリシスを考慮する必要があるという指針を得た。(3) 前記増分透磁率特性に基づいて, 鉄心内の比透磁率分布を推定した。この結果, 前年度に推定した比透磁率よりも実態に近い値が得られた。今後はこの知見に基づいて高精度計算法を考案していく。 第2に, グルーブを施した塊状鉄心リング試料を対象にして, 以下の項目を実施した。(1) リング試料を設計・製作した。(2) 試料の表面損を測定した。その結果, 交流印加磁界同一の条件においては, グループによって表面損が増加することが判明した。この成果を21年度に学会発表予定である。判明した特性は, 実機におけるグループによる表面損低減効果と逆の特性であるため,今後は測定条件やモデル形状を詳細に検討していく。 第3に, 前年度に試作した塊状鉄心磁極同期機を対象にして, 以下の項目を実施した。(1) 試作機の表面損を近似的に測定した。(2) 試作機の表面損を有限要素解析によって計算した。その結果,解析値は測定値よりも2割程度小さくなった。これはヒステリシスを無視して解析したためと考えられる。今後,ヒステリシスを考慮した解析方法を考案していく.
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