2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19760209
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 宗一 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (30431331)
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Keywords | スピントロニクス / Fe / III-V半導体 / CALPmD法 / 状態図 / 第一原理計算 / 標準生成エネルギー / Fe-As-In系 / 界面反応 |
Research Abstract |
本研究では, スピントロニクスデバイスのFe/半導体界面において形成される化合物を同定・予測するとともに, プロセス条件最適化の指針を示すことを目的として, スピンデバイス実現化の有力候補とされる系であるAl-As-Ga-Fe-In系のCALPHADモデリング及び熱力学計算を可能にすることを試みた. まず、過去に報告例のないFe-In二元系のCALPHADモデリングを行った。全ての実験データを高精度に再現するように系の自由エネルギー関数を定量化した。そのFe-In二元系と昨年度に本研究で行ったFe-As二元系、そして過去に報告されているAs-In二元系の熱力学データを用いて、Fe-As-In三元系の相平衡の計算を行った。本熱力学計算はFe-As-In三元系の実験結果を高精度に再現することが示された。そこで、スピンデバイス実現化の有力候補であるFe/InAs構造の製造プロセスに関与する相平衡の計算を行い、従来問題とされていた界面における反応生成物がAsFe_2化合物であること、さらには、そしてこの化合物の形成を防ぐためには、430K以下で結晶成長を行う必要があることが分かった。これらは、本熱力学計算で初めて得られた知見である。 Fe-Ga二元系の熱力学データベースと、本研究のCALPHADモデリングから、Al-As-Ga-Fe-In系の熱力学計算が可能になり、当初の目的が達成された。更なる高精度化を目指して多元系化合物の生成エネルギーの評価が必要であると考えられる。
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