2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760210
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小峰 啓史 Ibaraki University, 工学部, 准教授 (90361287)
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Keywords | スピン流分布 / マイクロマグネティックス / 磁性ナノワイヤ / 磁壁移動 / 微細加工 |
Research Abstract |
今年度は,ナノワイヤにおける磁壁移動の計算機シミュレーションを中心に研究を行った.ナノワイヤメモリの記録密度を向上させるための工夫として,ワイヤ端部に切り込みを入れた場合の磁壁移動を調べた.あわせて,スピン流が分布する系を調べるため,電流分布を考慮したマイクロマグネティックシミュレーション手法を提案した.その結果,切り込み部における雷流集中及び磁壁幅の減少によって,スピントランスファートルクがワイヤ内で分布することが分かり,スピン流分布によって様々な磁壁モードが出現することを明らかにした.また,磁壁移動の閾値電流密度を低減するため,パルス電流が磁壁移動に及ぼす影響を調べたところ,切り込み固有の磁壁ピニングポテンシャルに対応する振動数のパルス電流を印加したときに磁壁移動に必要な閾値電流密度が低減されることがわかった.現在,ナノワイヤメモリの記録密度を向上させるための具体的な構造検討を進めている. 本デバイスを実現するための試料作製検討も併せて行った.紫外線硬化型樹脂を用いた微細パターンプロセスを検討し,100nm程度の微細パターン形成が可能であるとの見通しを得た.今後,磁性細線の加工とともに,細線幅を変えた系統的な試料作製を行い,シミュレーションで得た結果を実験的に実証する予定である.
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