2007 Fiscal Year Annual Research Report
アセチレン混和ガススパッタ法によるGHz帯域高透磁率FeCoナノ結晶薄膜の開発
Project/Area Number |
19760214
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
劉 小晰 Shinshu University, 工学部, 准教授 (10372509)
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Keywords | 軟磁性薄膜 / 保磁力 / 飽和磁束密度 / ナノ結晶 / 高透磁率 |
Research Abstract |
平成19年度において,アセチレンガス導入により反応性スパッタ法を用いて,FeCo薄膜試料の作成及び磁気特性,微細構造,応力,磁歪などの測定を行った。 わずか1%(ガス圧比)アセチレンガスの導入により,薄膜平均結晶粒径は100nmからを約7nmまで激減ことはできた。特に,薄膜の保磁力は200 Oe前後から1.1 Oeまで激減ことはできた。尚,少量のアセチレンガスの導入のため,薄膜の飽和磁束密度4πM_sは24.3kGから23.5kGまでわずか3%が減少した。このことにより,本研究提案したアセチレンガス導入により反応性スパッタ法は,薄膜の飽和磁束密度影響せずに保磁力の激減できたことを明らかにした。これは,軟磁性薄膜開発ための理想的な方法であるため,その重要性は自明である。 アセチレンガス導入スパッタ法により,優れた軟磁性特性を有するFeCo薄膜の形成に成功しているが,そのメカニズムを解明するため,XPS(X線光電子分光)装置を用いて,薄膜試料の化学組成を調べた。アセチレンガスは導入しないと,試料の中に,約1at%の酸素の不純物の存在は明らかにした。尚,アセチレンガスを導入した試料には,酸素不純物を見つかっていない。本研究を行うスパッタリング装置の到達圧力は10^(-7) Torrである,これは,工業装置の一般的な数値である。この条件のFeCo薄膜の中の酸素不純物の影響は本研究により明らかにした。これは,工業の応用には重要性はある。
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