2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロン領域過剰キャリアライフタイム評価によるSiCデバイス性能劣化欠陥の特定
Project/Area Number |
19760215
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 正史 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (80362317)
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Keywords | Sic / 過剰キャリアライフタイム / 評価 / 欠陥 |
Research Abstract |
平成20年度は平成19年度に引き続きミクロンオーダーの面分解能を持つ新規過剰キャリアライフタイムマッピング装置の開発を行ってきた。その過程において、信号の取得にはキャリアを励起するレーザーとマイクロ波による励起キャリア検出部分の最適化が重要であることが判明した。現在は装置の最適化による信号強度向上を図っており、マッピング測定に十分な信号強度が得られるまで最適化を行う予定である。平成21年度中にはマッピング装置が完成する見込みである。 一方、SiCにおける過剰キャリア減衰の物理的機構を解明するために、p型4H-SiCエピタキシャル膜を準備し従来の過剰キャリアライフタイム測定装置による評価を行った。ここでp型4H-SiCエピタキシャル膜には電子線照射により意図的に欠陥を形成し、様々な欠陥濃度を有する試料を作成し過剰キャリア減衰曲線の欠陥濃度依存性を調査した。その結果、照射により形成される炭素空孔などの真性欠陥が過剰キャリアのライフタイムキラーとなることが判明した。さらか過剰キャリア減衰曲線と理論計算とのフィッティングにより、ライフタイムキラーとなる真性欠陥の推定を行った。その結果、従来n型4H-SiCにおいて報告されてきた真性欠陥のうちEH6/7センターと呼ばれる欠陥がp型4H-SiCにおいてライフタイムキラーとして働く可能性があることがわかった。この情報はキャリアライフタイム制御によるSiCデバイスの性能向上に有用だと考えられる。
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Research Products
(4 results)