2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン状態検出を目指したホイスラー合金‐カーボンナノチューブ接合の作製
Project/Area Number |
19760225
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 健一 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (80360931)
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Keywords | スピントロニクス / 強磁性トンネル接合 / ホイスラー合金 / カーボンナノチューブ / エピタキシャル成長 / ハーフメタル |
Research Abstract |
本研究の平成20年度の成果は、前年までに確立していたCo系ホイスラー合金Co_2MnSi、およびCo_2MnGeの成長条件をもとに、非常に大きな磁気抵抗比をもつ強磁性トンネル接合を作成することに成功し、また、その電気伝導特性から、ハーフメタルであると考えられているこれらの物質の電子状態を系統的に調べることに成功した。特にCo_2MnSi/MgO/Co_2MnSi接合では、室温で182%(極低温で705%)[論文 : J. Appl. Phys. 105(2009)07B110.]の、また、Co_2MnGe/MgO/CoFe接合では室温で160%(極低温で376%)[論文 : J. Phys. D42(2009)084015.]の大きなトンネル磁気抵抗比を得ることができ、Co系ホイスラー合金のハーフメタル特性の潜在的な能力の高さを示すことができた。さらに、これらの接合の微分電気伝導度のバイアス電圧依存性から、MgO界面付近に形成される界面電子状態と接合作製プロセスとの関係が明らかになり、現実のデバイス中における電子状態に関する知見を得ることができた。この成果は、カーボンナノチューブと組み合わせた接合デバイスのスピン検出能力を高める意味で、非常に重要な結果である。本研究の成果は、平成20年度は、これらの研究の成果として、査読付論文11編、学会発表30件(うち国際会議13件)に発表された。なお国際会議では4件の招待講演、国内会議においても4件の招待講演を行なっている。
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Research Products
(41 results)