2008 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックバンドギャップファイバカップラを利用した新型光ファイバデバイスの開発
Project/Area Number |
19760226
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 晋聖 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20333627)
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Keywords | フォトニック結晶 / フォトニック結晶ファイバ / フォトニックバンドギャップファイバ / 有限要素法 / 光ファイバカップラ / 光フィルタ |
Research Abstract |
光ファイバのクラッド領域に空孔を周期的に配置し, その周期構造を乱す中空の欠陥領域をコアとして光波をファイバの長手方向へ伝搬させる空気コア型フォトニックバンドギャップファイバ中で生じる共振結合という新規現象を理論的および実験的な研究を通して精査し, 従来の光デバイスでは実現し得ない光学特性を備えたファイバ型光デバイス創生のための基盤技術を確立するとともに, それらを高機能波長選択デバイス, および高感度ファイバセンシングデバイスへ応用することを目的として研究を進めた. 本研究により, 周期構造によるブラッグ反射によって局在した光波の間(2つのコアの間)に欠陥を導入することにより, コア間の結合がある特定の波長でのみ非常に強くなるという共振現象を利用して, 狭帯域かつ低サイドローブの波長フィルタ特性を有するフォトニックバンドギャップファイバカップラが構成可能であることを明らかにした. また, クラッドの周期構造変化や欠陥構造の変化が波長フィルタ特性に与える影響を詳細に調査し, 共振結合現象の波長依存性や偏波依存性, さらには損失特性や欠陥構造依存性などを理論的に明らかにするとともに, 製造限界を考慮に入れたフォトニックバンドギャップファイバカップラの最適構造を特定した. さらに, 欠陥領域にその屈折率が温度によって変化する流体を注入することにより, 全ファイバ型の温度可変狭帯域波長選択フィルタが構成できることを示すとともに, 従来型の温度可変光ファイバフィルタに比べて, その感度が大幅に向上することを明らかにした.
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Research Products
(8 results)