2007 Fiscal Year Annual Research Report
SOI導波路上単一モード半導体薄膜レーザに関する研究
Project/Area Number |
19760231
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 武男 Tokyo Institute of Technology, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 助教 (60345379)
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Keywords | 半導体レーザ / 集積レーザ / SOI / シリコンフォトニクス / 光集積回路 / 分布帰還形レーザ / ウエハボンディング / 光導波路 |
Research Abstract |
チップ間光インターコネクションを行うためには、電子デバイスと光デバイスとをチップ内に集積する必要があり、そのための技術開発が急務となる。本研究は、これまで半導体レーザとして実績のあるIII-V族化合物半導体(GalnAsP/InP)をSOI基板に直接貼り付けることによりシリコンLSI上での集積化に適した単一モード半導体レーザの実現を目指すものである。本年度得られた結果は、 (1)SOI基板上半導体レーザは低熱伝導率材料であるSiO_2を有しているため、放熱特性が悪いと考えられている。今回、リブ導波路構造を有する半導体薄膜レーザを作製し、Si層を放熱層として作用させることで85℃までの高温動作を実現した。これまでのSOI基板上半導体薄膜レーザと比較して、熱特性の改善(最高動作温度T_<max>= 60℃→85℃、しきい値特性温度T_0=22K→64K)に成功した。 (2)半導体薄膜レーザは、薄膜構造のため電流注入構造の作製が困難であり、光励起でのみの動作であった。今回、薄膜(60nm)n-InPクラッド層構造を有するGaInAsP/InP基板をSOI基板に直接貼り付け、横方向電流注入構造pn-LEDを作製した。この素子において整流特性と量子井戸からの自然放出光を確認した。 (3)さらに、上記のLED構造をレーザ構造に拡張して素子を作製した。このとき、薄膜かつ横方向電流注入構造は、薄膜部分でのシート抵抗が大きな問題になると考えられる。今回n-InP層のみを薄膜化したGaInAsP/InP-DFBレーザをSOI基板上に作製した。ストライプ幅25mm、共振器長1mmの素子において室温パルス条件下でレーザ発振を実現し、しきい値電流104mA、発振波長1543nm、副モード抑圧比28dBを得た。
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