2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境に配慮した液晶テレビの画像適応調光方式を用いた高画質・省エネルギー化
Project/Area Number |
19760232
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
志賀 智一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10313412)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / 消費電力 |
Research Abstract |
全世界的に環境保全や省エネルギー化が進むなか、大画面化が進んでいる液晶テレビに対しても低電力化、無水銀化が望まれている。これに対し研究代表者は、表示画像に応じてバックライト輝度を調光して低電力化を図る画像適応調光方式を提案している。本研究では環境に優しい光源であるLEDを用いたバックライトに画像適応調光方式を適用したシステムの開発を目的としている。 今年度の研究期間においてはコンピュータシミュレーションを活用し、より一般的なテレビ映像に対する本方式の効果の検討や、領域分割方法や調光段階の最適化などを行った。 まずシミュレーションモデルを昨年度得た実験結果を元に再検討し、また多くの画像を用いて計算精度の向上を図った。テスト画像は国際電気標準会議が定めるテレビ消費電力測定用動画相当のものを199枚使用した。バックライト各ブロックの発光プロファイルは、広がりのパラメータを定義して変化させた。研究の結果、一般的なテレビ映像に対しては、バックライトの設計において、領域を16×12分割、調光段階数を5、発光プロファイルの広がりを領域分割幅程度とすれよいことがわかった。このとき消費電力は従来方式の約半分にすることができる。またLED光源を使用すると色毎の制御が可能で、単色表示であれば大幅な電力低減ができるが、一般的なテレビ映像の場合、色に偏りがある表示がほとんどないためその効果が少なく、最大でも15%程度の効果向上であることがわかった。 また発光プロファイルと画質の関係の調査に着手し、特に発光プロファイルの広がりが非常に小さい時に生じる画質劣化要因の調査を行った。液晶パネル、バックライトの視野角依存性の測定などからその要因を検討し、画像適応調光方式と液晶パネル構造の相関による影響が最も大きいと予想した。今後はその検証を行い、画質劣化を含めたシミュレーションモデルの作成が必要である。
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