2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロダブルパターニングポーラスSi基板上高出力GaN系LED
Project/Area Number |
19760235
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 博康 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20303696)
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Keywords | ポーラスSi / 窒化ガリウム(GaN) / 有機金属気相成長(MOCVD) / 陽極化成 / エピタキシャルSi |
Research Abstract |
昨年度、ポーラスSi(PSi)基板上へのGaNの単結晶成長を行い、通常のSi基板上GaNと比較して反りおよび面内歪みが低減し、フォトルミネッセンスバンド端発光強度が向上した。しかしながら、多数のクラックやピットが観察され、平坦性も悪かった。本年度はこの原因を調べるため、詳細な断面観察を行い、その改善を行った。断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、PSiの数〜数10nmスケールの微細構造が失われ、サブミクロンスケールのフォーム状構造に変化していることがわかった。窒化物層とPSiの界面にボイドが存在する箇所のGaN表面にはピットが現れることもわかった。GaNの成長時間を0〜25min(1μm相当)変化させた試料を作製し、変化の過程を調べた。その結果、0minの段階で既にPSiの構造が変形していること、時間と共にフォーム状構造が大きくなっていくことがわかった。さらにピット付近の透過電子顕微鏡による観察を行ったところ、フォームの空洞底に窒化物層/PSi界面層が下方に移動していることがわかった。これらの結果より、成長中にPSiが窒化物層ごと変形、界面に窪みを形成し、その上に横方向成長する過程でピットが発生することがわかった。そこで、PSiの変形を抑えるためにPSi基板上に1〜2μmのSi薄膜をエピタキシャル成長させたSi/PSi基板の使用を試みた。その結果、Si基板上GaNと同様、AlN中間層上でほぼ擬二次元成長する成長様式であり、界面ボイドやピット、さらにはクラックの発生が抑制された。AFMによる表面粗さ測定の結果、Si基板上GaNと同程度に小さく、平坦性も大幅に改善された。顕微ラマン分光により膜中応力の推測を行ったところ、僅かながら応力の低減が認められた。これはエピタキシャルSiの厚さがGaNと同程度の膜厚であり、フレキシブル性が弱められたためと考えている。エピタキシャルSi層を薄くすることにより、平坦かつ応力の小さなGaNを成長できるものと期待できる。
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Research Products
(4 results)