2007 Fiscal Year Annual Research Report
RF帯N相同期CMOS-LC発振器の開発に関する研究
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19760249
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
茂呂 征一郎 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 准教授 (00303363)
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Keywords | RF発振器 / CMOS-LC発振器 / 相互同期 / N相同期 / 相互結合 / 位相同期ループ / クロック分割 / 非線形振動 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに,同じ特性をもつ複数の発振器を1つの抵抗で星形に結合した回路に見られる同期現象について報告してきた.これらの回路では,各発振器の位相がずれて同期するような現象が得られる.特にLC van der Po1発振器を結合した系では,結合抵抗によって消費される電力を最小にしようとするため,安定なN相同期現象が見られることを報告してきた.従来は低周波での動作(kHzオーダー)を想定しているが,N相同期現象が起こる原理は周波数の高低に関わらないと考えられるため,構成要素として高周波発振器を用いることで高周波の多相出力発振器を構成することができ,通信機器などへの応用が期待できると考えられる. そこで本研究では,上記の高周波CMOS-LC発振器の結合系を考えることで,高周波N相同期発振器を構成することを目的とする.本年度は,CMOS-LC発振器を相互インダクタで環状結合した系を提案し,その同期現象を回路シミュレーションによって調べた.最初,各発振器に含まれる相互インダクタの極性を全て同じ向きしてみたところN相同期現象が見られたが,Nが偶数の場合には発振器の非線形特性を原点に非対称にする必要があった.そこで,一部の相互インダクタの極性を逆にしてみたところ,各発振器の位相がπ/Nずつずれて同期し,結果として2N相同期が得られることを確認した.また,素子値のばらつきに対する同期現象の変化についても詳しく調べた他,同期現象のメカニズムの解明のため,システムの電力消費の点から安定な同期状態を解析する手法を提案した.
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Research Products
(9 results)