2007 Fiscal Year Annual Research Report
空間的・時間的選択性を利用した高品質・高効率無線マルチキャスト
Project/Area Number |
19760252
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新熊 亮一 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (70362580)
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Keywords | 無線通信 / 無線アクセス / 同報通信 / 通信品質 / 電波環境 |
Research Abstract |
公平性を損なわずにトータルQoSの向上を達成する無線P-MP(Point-to-MultiPoint)伝送方式を設計することを目的として研究を行った. 研究にあたっては,国内外の研究会や論文誌,無線技術関連の仕様書などを購入し,研究動向調査を継続的に行なってきた. まず,無線P-MP伝送において,ある端末の参加が他端末に与える影響を評価する手法と,その評価値を用いた無線P-MP伝送向けの基地局選択アルゴリズム(方式I)を設計した.次に,干渉などを加味して基地局近傍の端末から適切に中継局を選び,中継伝送を受信する端末群をクラスタ化するアルゴリズム(方式II)を設計した.このように各受信端末がどの送信局からP-MP伝送を受信するかを選択できる空間的選択性によって,公平性を損なわずトータルQoSを向上できることを,数値計算による評価から示した.評価においては,方式が有効になる適用範囲(スケーラビリティ)と計算コストを定量的に評価した. 無線P-MP伝送には,トータルQoSと公平性とにトレードオフが存在するため,従来は公平性を維持したままトータルQoSを向上することは困難とされてきた.本研究の成果は,空間的な選択性による利得を活用すれば,それが実現可能であることを示しており,非常に革新的な成果であると言える. 得られた研究成果を,国内における研究会で報告した.また,一定の成果が得られた時点で国際会議や学会論文誌への投稿を行った.
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Research Products
(2 results)