2007 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域マルチキャリア無線通信システムのための適応ピーク電力抑圧技術の開発
Project/Area Number |
19760258
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牟田 修 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (80336065)
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Keywords | マルチキャリア変調 / OFDM / ピーク対平均電力比 / ピーク電力低減 / LDPC 符号 / ターボ符号 / 非線形歪補償 / 重み係数制御 |
Research Abstract |
OFDM伝送に代表されるマルチキャリア伝送では、送信電力のピーク対平均電力比(PAPR)が高くなることが問題となる。本研究課題では、電力増幅器における電力効率を改善するために、マルチキャリア信号のPAPRを低減する方式を開発することを目的とする。本年度は、LDPC符号化OFDM信号のピーク電力をサブキャリアの位相制御により抑圧する技術、およびMIMO通信システムにおいてアンテナ素子あたりの平均出力電力を通信品質を考慮しながら抑圧する技術を開発し、その有効性を確認した。 1. LDPC符号化OFDM信号に対するピーク電力抑圧技術を開発した。この方式は、符号化ビット(サブキャリア位相)をグループ単位で適応的に反転させることによりピーク電力を抑圧し、受信側で符号反転の有無をLDPC符号の検査行列の性質に基づいて推定するものである。本方式の基本特性を明らかにした。また、多値変調時を用いたOFDM信号に対しても有効であることを示した。 2. ターボ符号化OFDM信号において検査ビットのみを反転させることでRAPRを抑圧する方式をMIMO通信システムに適用し、その特性を明らかにした。 3. MIMO通信システムにおいて、通信品質を考慮しながらアンテナ素子当たりの平均電力を抑圧する方式を開発した。送信機側で伝搬路特性が既知である場合の送受信重み係数の最適化法を示し、移動無線通信環境において通信品質をほとんど劣化させずにアンテナ素子あたりの平均出力電力を抑圧可能であることを明らかにした。 4. 電力増幅器の電力効率を改善するには、マルチキャリア信号のPAPR抑圧技術と電力増幅器の非線形歪補償技術の併用が必須となる。本年度は直交多項式展開に基づく適応プレディストータを用いた非線形歪補償技術を提案し、その基本特性を明らかにした。
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