2007 Fiscal Year Annual Research Report
有線回線と無線回線を考慮した超高速ネットワークに対する通信制御技術の開発
Project/Area Number |
19760260
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小畑 博靖 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 助教 (30364110)
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Keywords | 超高速ネットワーク / TCP輻被制御 / 有線回線 / 無線回線 / コネクション分割機構 / スループット確保技術 / WINDS |
Research Abstract |
本研究の目的は,有線回線と無線回線が混在する高速ネットワークにおいて,ハイビジョン動画データなどの大容量データを高速に送信可能とする新たなネットワーク制御技術を開発することである。平成19年度は以下の4つを行った。 (1)申請者が提案した衛星回線に適したTCP-STARと現有の高速有線回線向けの輻輳制御方式を応用,して,ギガビットを超える高速な有線回線に対応可能なTCP輻輳制御方式の検討を行った。 (2)上記の(1)で検討した技術とTCP-STARの技術を利用して,ギガビットを超える高速有線回線と高速無線回線が混在するネットワークにおいて,高速かつ効率的なデータ通信を可能にするコネクション分割機構を提案した。さらに,提案方式では効率的なデータ転送を行うために,パケットロス率に応じてパケット長と再送方法を変更する新たな機能を導入した。提案方式をネットワークシミュレータns2により評価した結果,従来方式よりもスループットが向上することを確認した。さらに,提案方式は従来方式よりも冗長データ量を大幅に減少できることが分かった。 (3)緊急・重要データの送信で必要となる安定したスループットの確保をTCPの輻輳制御で実現する技術を提案した。提案方式では,重度の輻輳を回避するために,スループットの確保が難しい場合には目標帯域を一時的に減らすことで,安定したスループットの確保を行っている。Ns2を利用して提案方式の評価を行った結果,従来方式よりも安定したスループットが得られることが分かった。 (4)申請者の実験計画が超高速インターネット衛星WINDSの利用実験計画に採択され,WINDSを利用した提案方式の評価実験の実施を行うための準備を行った。
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