2008 Fiscal Year Annual Research Report
有線回線と無線回線を考慮した超高速ネットワークに対する通信制御技術の開発
Project/Area Number |
19760260
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小畑 博靖 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 助教 (30364110)
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Keywords | 超高速ネットワーク / TCP輻輳制御 / 有線回線 / 無線回線 / コネクション分割機構 / スループット確保技術 / WINDS |
Research Abstract |
本研究の目的は、有線回線と無線回線が混在する高速ネットワークにおいて、ハイビジョン動画データなどの大容量データを高速に送信可能とする新たなネットワーク制御技術を開発することである。平成20年度は以下の4つを行った。 (1) DCCP輻輳制御方式を利用したスループット確保技術の検討を行った。シミュレーション評価を行った結果、Webトラフィックのような生存期間が短いTCPフローが混在する環境において、提案方式はアプリケーションが要求するスループットを確保しつつ、UDPよりもTCPとの親和性が高いことを確認した。 (2) 有線回線と無線回線の1つである無線LANを利用したネットワークにおいて帯域確保を目指したTCP輻輳制御方式の提案を行った。シミュレーションによる評価を行った結果、従来方式よりもある程度帯域が確保できることが明らかとなった。 (3) 研究代表者が提案した衛星回線に適したTCP輻輳制御方式TCP-STARは衛星回線上において高速通信が可能であるが、従来TCPとの親和性に問題があることが前年度までの研究で明らかとなっていた。そこで、衛星回線と地上回線が混在する高速ネットワークにおいて、高速性を保ちつつ、従来TCPとの親和性を向上するTCP輻輳制御方式の提案を行った。提案方式は、TCP-STARと有線回線において高いTCP親和性が得られるTCP-Fusionの制御を応用することで実現した。シミュレーションによる評価を行った結果、提案方式はTCP-STARよりも大幅にTCP親和性が向上していることが分かった。 (4)超高速インターネット衛星WINDSを利用して、本研究で開発したTCP輻輳制御方式の基礎性能の評価実験を行った。その結果、従来TCPと比べ高いスループットが得られることを確認した。しかし、データ送出方法に関して課題があることが明らかとなった。
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