2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760263
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
陶山 健仁 Tokyo Denki University, 工学部, 准教授 (50303011)
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Keywords | マイクロホンアレー / 移動音源追尾 / 音源定位 / 固有値 / 信号部分空間 / 最適化 |
Research Abstract |
今年度は,まず以前に提案したマイクロホンアレーの受信音の相関行列の固有ベクトルの張る信号部分空間を逐次的に更新するPASTと高解像度音源定位法であるMUSICを組み合わせた手法の拡張を行なった。MUSICでは,音源方向を推定するためにMUSICスペクトルを走査し,ピークに対応する方向を調べる必要があり,それが大きな演算負荷の原因となっていた。そこで,MUSICスペクトルを走査する代わりに,適応的にピークに対応する方向を更新する手法として,内点最小2乗法を用いた手法を提案した。この手法は,制約付最小化問題に基づく手法であり,探索範囲に関する制約を付加することにより,音源方向が急激に変動した場合でも,安定でかつ高速な移動音源追尾が可能となる。つぎに,提案法の改善法として,マイクロホン間隔を広げ,アレーのビーム幅を狭くすることにより解像度を向上させる方法について検討した。この手法では,高周波帯域において空間的エイリアジングが発生するという問題があるが,先に提案した内点最小2乗法の 実行可能領域を高周波帯では,狭く設定することにより,解がローカルミニマムに陥ることなく,追尾可能となる。その際,探索の初期値にはエイリアジングが生じない低周波帯域の推定結果を使用することにより,グローバルミニマムに達することが可能となる。いずれの手法も実環境実験により性能評価を行ない,良好な追尾性能が得られることを確認した。また,移動音源位置を計測するための3次元位置計測環境も整えることができた。
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Research Products
(3 results)