2007 Fiscal Year Annual Research Report
CDMA-QAM方式を用いた鉄道信号用デジタル多情報伝送装置の開発
Project/Area Number |
19760265
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
望月 寛 Nihon University, 理工学部, 助手 (10434119)
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Keywords | 情報通信工学 / 鉄道信号 / CDMA / QAM / DSP / FPGA |
Research Abstract |
自動列車制御装置(ATC)などに代表されるレールを用いた鉄道信号システムは、極めて高い安全性を有する一方、使用できる伝送帯域が狭く、多情報化によるシステムの性能向上が困難とされている。これに対して私は伝送方式の改善による情報速度の拡大を図った。具体的には、符号間の直交性を利用し多元接続を実現するCDMA、及び振幅と位相の両方を用いて多値化するQAMとを併用したCDMA-QAM式レール伝送システムを提案し、計算機シミュレーションによる有用性の確認を既に行っている。本年度は、この成果を踏まえて、CDMA-QAM式レール伝送システムのハードウェア化を試みた。まず、FPGAを用いたCDMA回路では、CDMA処理のキーデバイスである整合フィルタについて、時分割処理などの技術を用いることにより、本システムの多元接続数である63チャネルを、ワンチップでリアルタイム処理可能なマルチチャネル整合フィルタを開発し、その有効性を確認した。一方、DSPを用いたQAM変復調回路部では、復調器で送信データのシンボルの変化点を一定時間監視することにより実現した同期捕捉や、復調器の搬送波と受信信号との位相計測により実現した同期保持などの機能を実際のDSPへ実装した後、変復調回路をオーディオケーブルで接続した基礎実験を実施した。その結果、前述の機能がリアルタイムで処理できていることを確認した。さらに、実際のレールを用いたフィールド試験を実施した。その際、レールが持つ減衰特性に対応するために、減衰を検知し、受信信号の振幅を自動的に調整するAGC機能を付加した復調回路を開発した。そして、フィールド試験の結果、減衰特性に対しても良好な伝送特性が得られることを確認した。
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