2008 Fiscal Year Annual Research Report
中継者の便益を考慮したアドホックネットワークの料金設計
Project/Area Number |
19760266
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
矢守 恭子 Asahi University, 経営学部, 准教授 (20350449)
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Keywords | 情報通信工学 / 料金理論 / ネットワーク / モデル化 / 移動体通信 / 中継謝金 / アドホック / 効用 |
Research Abstract |
本年度は, 中継端末に対して中継謝金を支払うアドホックネットワークにおいて, 利用者が通信のために支払ってもよいと思う支払意思額と, 中継者が中継に対する対価として受け取りたいと思う受取意思額とセキュリティ意識の有無について調査した. アンケートでは商用のサービスを利用し, 20代から60代以上の年齢層のサンプルに対して調査を実施し, 273サンプルのデータを回収した. 回収したデータを元に統計解析を行い, アドホックサービスにおける中継を拒否するユーザの心理を明らかにした. また, セキュリティの脅威にさらされる危険度と, それに対する受取意思額の関係を近似式により定量化した. その結果, セキュリティの脅威にさらされる危険度が大きくなるにつれ, 受取意思額が指数関数的に上昇することが分かった. さらに, 中継の拒否率について調べたところ, 危険度が0.01では約50%の回答者が中継を拒否することが分かった. 中継のインセンティブを上げるためには, セキュリティを確保できるようなネットワークを構築する必要がある. 次に, 中継謝金を用いたルーチングについて, その実装を考慮した比較を行った. ここでは, 中継謝金の金額を比較しながら経路を構築する方式と, AODVで経路を作成した後, 経路の中継謝金の合計と通信料金を比較する方式の二つのルーチング方式について評価している. その結果, 中継謝金を比較しながら経路を構築する方式の方が, 通信成功率が高くなることが分かった.
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