2008 Fiscal Year Annual Research Report
交差点における安全運転支援システム構築のための車車間通信方式に関する研究
Project/Area Number |
19760267
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
永長 知孝 Kanto Gakuin University, 工学部, 准教授 (30324544)
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Keywords | 車車間通信 / 高度交通システム / 安全運転支援 / 交差点 / MACプロトコル |
Research Abstract |
本研究では, 安全運転支援システムのための車車間通信方式の検討を行った. 安全運転支援を実現するための車車間通信方式には, 道路上に存在する多くの車両問で車両位置や速度などを周期的に交換することを前提とした, リアルタイムかつ信頼性の高い通信を成立させることが求められている. 本研究では, このような要求に対し, 車両位置情報を用いてアクセス方式を制御する手法について検討を行った。 本研究で提案する方式は, 従来のCSMA方式で問題となる隠れ端末の発生を防ぐために, 道路領域をエリアに分割し, 各エリアのみがアクセス可能な時間フレームを設定することでキャリアセンス範囲外の車両同士の同時送信を防ぐことができる. すなわち, 周期的に繰り返されるメインフレームを複数のサブフレームに分割して用い, 各エリアに存在する車両は設定された番号のサブフレームでのみアクセスが許可される. 各エリアの範囲は互いにキャリアセンスが可能な範囲で設定されるため, 隠れ端末問題を回避可能な方式となる. 検討するシステムの交差点周辺におけるフレーム構成例を示し, その構成を元にコンピュータシミュレーションによる評価を行った。メインフレームの繰り返し周期は, ITS情報推進システム会議の実験用ガイドラインを含め多くの例で検討されている100msを仮定した. 通信範囲は車両の周囲100mとした. シミュレーション結果より, 道路の混雑状況に関わらず, 従来のCSMA方式に対して提案方式のパケット受信成功率が改善されていることを確認し, その有効性を示した.
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