2008 Fiscal Year Annual Research Report
血流と色彩の画像計測による皮膚腫瘍診断システムの開発
Project/Area Number |
19760278
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
横井 直倫 Asahikawa National College of Technology, 機械システム工学科, 准教授 (60353223)
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Keywords | 計測工学 / 血流計測 / 腫瘍診断 / 画像処理 / スペックル |
Research Abstract |
本研究は, 皮膚表層から比較的深い位置の血流分布と酸素濃度分布を同時に高コントラストで可視化し, 腫瘍の位置や大きさとともに, それが悪性か良性のどちらかを確実に特定できるシステムを開発することを目的として遂行された. 本年度はまず, 平成19年度に開発した血流分布可視化ソフトおよび酸素濃度分布可視化ソフトと, 同じく平成19年度に計算で求めた近赤外分光反射率データベースおよび悪性腫瘍部酸素濃度推定データに基づき, スペックル画像の検出からデータベース利用, 解析, 血流分布可視化に至る一連の計測過程を実行でき, なおかつ測定光学系各部に設置した多数の位置・角度調整用モータの自動制御用マイコンを統合管理操作できるソフトを開発した. さらに, 本ソフトにより上述のあらゆる作業が行えるように, 本ソフトがインストールされたパーソナルコンピュータと測定光学系各部を通信ケーブルで接続し, 計測装置全体のシステム化を実施した. その上で, 上記のシステムの有効性を確認するために, 皮膚ファントムを用いたモデル実験を実施した. 本モデル実験では, ゼラチンにイントラリピッド水溶液と色素を添加した擬似生体組織中に悪性腫瘍に見立てた円柱状空孔を形成し, そこに円管を介して酸化血液をポンプで流入させる形態の皮膚ファントムを作成し, 空孔の深さ, 酸化血液の流速, 酸素濃度を種々の条件に設定して, 血流分布可視化と酸素濃度分布可視化を同時に実施した. その結果, 本システムが腫瘍の位置と大きさをミクロンオーダーの精度で特定できると同時に, 腫瘍が悪性か良性かを判別できる能力も十分に備えていることを確認することができた.
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