2008 Fiscal Year Annual Research Report
環上のシステムに対するMPUM理論の構築:Kernel表現アプローチ
Project/Area Number |
19760286
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 修 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (00314394)
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Keywords | 環上システム / MPUM / kernel表現 / 制御仕様 / 正準制御器 / 多次元システム |
Research Abstract |
本年度は以下のような基礎的な事柄を明らかにした. 1. 環上のシステムの代表である, 多次元システムを例にとり. 多次元システムであるプラントを1次元の制御器で制御する際に, どのような制御仕様まで達成可能か否かという問題に取り組み. 問題が可解であるための必要十分条件を与えた. また線形時不変なシステムの場合も, kernel表現に基づくことで, 理論的に明快な形で必要十分条件を与えた. これらは環上のシステムの制御問題に対する一つの理論的成果を与えたという点で非常に有意義である. 2. 制御のモデルと適切な制御器を同時に求める問題を, MPUMの重要な基礎とも深い関連のある非反証制御の概念を用いることで, 取り組んだ. MPUMの理論的な応用としても十分に意義は深いが, 結果的に, モデル化の誤差や, 制御性能の限界も定量的に与えることができ, そしてそのための実験も一回でよい, という意味で実用的にも非常に有益な方法を与えたといえる. 3. 環上のシステムの制御の例としての1番の結果のさらなる応用として、連続ダイナミクスと離散ダイナミクスの双方を考慮した制御系について, 連続ダイナミクスの制御対象を離散ダイナミクスの制御で制御する際の, 制御仕様の達成可能性についても論じた. 1番と同様に環上のシステムの制御問題にも応用の可能性も秘めていることから, 理論上, 有益な結果を与えたといえる.
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