2008 Fiscal Year Annual Research Report
同次固有値を用いた同次システムの安定性判別法の開発
Project/Area Number |
19760288
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 文一 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (70362837)
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Keywords | 制御工学 / 制御理論 / 非線形制御理論 / システム理論 / 固有値解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は同次固有値を用いて拡大付き同次システムの安定性判別法を確立することである. 複素同次固有値を取り扱うためにで, 実同次システムの複素同次化が重要な問題である.前年度に提案した(1, 1)型の複素化では振動解が表現できなかった.そこで, 本年度は(1, 0)型複素同次化手法を開発し, 国際会議で発表を行った. 実同次固有値を用いたシステム解析においてはEuler球面と呼ばれる多様体上の大域的ベクトル場構造が重要な役割を果たす.実同次固有値のみを考えることは, 線形システムにおいては特異値を考えていることに他ならない.本年度は, 線形システムにおける特異ベクトルがEuler球面上のベクトル場の特異点となることを利用した高速な得意ベクトル場の計算法である同時修正法を提案し, 特異値計算法であるmdLVsと組み合わせて高精度かつ高速に得意値分解を行うアルゴリズムを開発し, 非線形Receding Horizon制御に用いて有効性を確認することに成功した. このように異空間を用いてシステムを解析することにより様々な制御問題を簡単化できる可能性があることがわかった.そこで, 本年度は全射エタール空間上の制御系の構造ともとの多様体の制御系構造の比較を利用したシステムの解析法を提案し, 最小射影法と名付けた構造比較に基づく半凹制御Lyapunov関数を設計するための手法を提案した.さらに, 最小射影法により設計した制御Lyapunov関数を用いた制御系設計法を提案し, 移動ロボットを用いた実機実験により有効性を確認した.
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Research Products
(12 results)