2008 Fiscal Year Annual Research Report
状態依存型リカッチ方程式による横滑りを考慮した車両の位置・姿勢制御に関する研究
Project/Area Number |
19760292
|
Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
池田 裕一 Kushiro National College of Technology, 機械工学科, 助教 (80435396)
|
Keywords | 制御工学 / 非線形制御 / 機械力学・制御 |
Research Abstract |
本研究では, 横滑り, およびタイヤ発生力に飽和特性を有する車両が安定に走行するための操舵・駆動系統合制御方法を状態依存型リカッチ方程式により構築し, 実験機にて検証することを目的としている. 本年度は以下のような結果を得ることができた. なお, 本研究では前輪操舵・後輪駆動の車両を制御対象とした. 1. 前年度における車両モデルでは, タイヤから発生する横力・制駆動力はタイヤの横滑り・縦滑りのみの関数としたが, タイヤに横力・制駆動力の両方が作用している場合, これらは横滑り・縦滑りの両方の関数となることが知られている. そこで, 本年度はタイヤ発生力が横滑り・縦滑りの関数として記述できるMagic Formula関数近似タイヤモデルを用いて, 車両モデルを再構築した. 2. 再構築した車両モデルから, 三角関数の性質などを利用し状態依存型係数表現を導出し, この状態依存型係数表現に状態依存型リカッチ方程式を用いる制御方法を提案した. 数値シミュレーションにより, 圧雪などの低摩擦路面においても大きな操舵・加減速をともなう走行を行う場合でも, 安定な走行が行えることを確認した. 3. 2. で得られた結果をアクティブ前輪操舵制御に適用し, シングルレーンチェンジの数値シミュレーションにより, 圧雪などの低摩擦路面においてもドライバの操舵操作による不安定状態を安定化できることを確認した. 今後は, 2. と3. の実験機検証, タイヤの空転防止などある目的を満たす評価関数の設定方法, 前後輪操舵・駆動車両への拡張を予定している.
|