2009 Fiscal Year Annual Research Report
状態依存型リカッチ方程式による横滑りを考慮した車両の位置・姿勢制御に関する研究
Project/Area Number |
19760292
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
池田 裕一 Shinshu University, 工学部, 助教 (80435396)
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Keywords | 制御工学 / 機械力学・制御 / 非線形制御 / 車両 / 状態依存型リカッチ方程式 |
Research Abstract |
本研究は,タイヤに横滑りをともなう車両に対して,操縦性および安定性を保証し,かつ低速時における加速・減速および大きな操舵を行う場合に生じる車両運動の非線形性にも対応可能な操舵系と駆動系を統合化した制御系の構築を目的としている.このうち,本年度の研究活動により,以下のような結果が得られた.(1)2次元平面内を運動する車両を制御対象として,タイヤに横滑りをともなう車両の非線形運動方程式を導出し,このモデルに基づいて姿勢角度と車体速度を規範モデルに追従させるモデル規範型制御則を状態依存型リカッチ方程式に基づいて導出した.また,提案手法の有効性を確認するため数値シミュレーションを行い,低摩擦路面においても大きな姿勢・速度変化に追従できること,路面状況の変化に対してある程度のロバスト性を有することを確認した.(2)(1)では,場合によっては車体とタイヤの速度差が大きくなり,タイヤの前後方向のすべりが大きくなってしまうことがあった.このときステアリング動作を行うと旋回を行うのに十分な横力が得られない.そこで,(1)の結果に基づいて,タイヤの前後方向のすべりを制御する操舵・駆動統合制御手法を提案した.(3)(1),(2)で導出した制御則は実時間制御に基づいているため,外乱などに対するロバスト性はシミュレーションにより確認するしかなかった.そこで,ロバスト制御手法の1つであるスライディングモード制御の切換関数の設計に状態依存型リカッチ方程式を用いた制御手法を提案した.これにより,システムの不確さに対して理論的な結果に基づいて評価できるようになった.さらに,実験検証を行うために実験機の作成を行った.今後は,(3)で導出した制御則による制御系の安定性の証明,および実機実験による検証を行う予定である.
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