2008 Fiscal Year Annual Research Report
様々な雑音環境下での変数誤差モデル同定とその応用に関する研究
Project/Area Number |
19760297
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
池之上 正人 Ariake National College of Technology, 電気工学科, 准教授 (10353343)
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Keywords | システム同定 / パラメータ推定 / 変数誤差モデル / バイアス補償法 |
Research Abstract |
従来, 変数誤差モデルの同定問題において, 入出力観測雑音は白色雑音として扱われることが多く, また, その同定アルゴリズムの多くはオフライン形式である。そのため, 観測雑音が有色雑音, 非線形誤差, 量子化誤差, 複数の観測雑音が混入する場合など様々な雑音環境下や実時間処理が求められる実問題での適用は難しいと考えられる。このような背景のもと, 本研究では, 様々な雑音環境下および実時間処理で適用できるような逐次計算アルゴリズムを用いた変数誤差モデルの同定法を開発し, その応用面での検討を行うことを目的とし研究を行った。具体的には, 1)バイアス補償法の検討・様々な雑音環境下への拡張, 2)変数誤差モデル同定アルゴリズムの検討・逐次計算アルゴリズム開発, 3)実問題への応用検討, を行っており, 特に今年度の成果は以下に示す通りである。 ・ 前年度提案した「バイアス補償補助変数タイプアルゴリズム」の有色雑音下への拡張について検討を行った。また, 雑音共分散の推定アルゴリズムを提案し, 逐次計算アルゴリズムを開発した。提案手法と従来手法との比較を行い, 数値シミュレーションにより有色雑音下でのパラメータ推定精度についてその有効性を示した。 ・ 入出力観測値に量子化誤差が含まれる場合について検討を行い, 提案手法の拡張を行った。また, 数値シミュレーションにより複数の雑音環境下(量子化誤差および白色雑音環境下)でのパラメータ推定精度についてその有効性を示した。 ・ サンプル値データから連続時間変数誤差モデルを直接同定する問題を考え, バイアス補償法の連続時間系への拡張について検討を行った。
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