2007 Fiscal Year Annual Research Report
力学・耐久性能のトレードオフに着目した超高強度ひずみ硬化型セメント系材料の開発
Project/Area Number |
19760302
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
國枝 稔 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60303509)
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Keywords | 超高強度 / ひずみ硬化 / 耐久性 / 透気試験 / UHP-SHCC |
Research Abstract |
優れた力学性能(強度,変形能)および耐久性を併せ持つ,超高強度ひずみ硬化型セメント系材料(UHP-SHCC)の開発に成功した.具体的には,引張強度で10MPa,引張強度時ひずみが2%以上,透気係数が普通コンクリートの100倍程度以上の材料である.この材料を用いることにより,コンクリート構造物の補強と物質の遮蔽の両者を可能とする工法の開発が可能となる. 当該材料による補修を模擬したRCはりの曲げ試験を行った結果,優れた補強効果が確認され,数値解析によりその挙動がおおよそ予測できることを明らかにした. 低水結合材比および粉体量が多いため,収縮によるひび割れ等が懸念される.そこで,当該材料の収縮挙動を把握する実験を行った.実験の結果より,十分な水を供給する養生により,収縮量が低減できること,繊維量をある程度以上にすることにより,収縮量が低減できることを明らかした.なお,いずれの場合でも,600マイクロ程度の収縮であることが確認された. 最後に,当該材料のメゾスケール解析を行う手法を開発し,定量的な力学性能の予測を行うため,繊維の引抜試験を実施した.これによると,埋め込み長によらず,繊維とマトリックスにおける唯一の付着応カ-すべり関係が得られることを明らかにした.さらに,蒸気養生によりマトリックスをより高強度化した場合のデータも取得したところ,本研究の範囲内では,通常の養生を行ったものに比べて大きな違いは見られないことが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)