2008 Fiscal Year Annual Research Report
超音波法を用いた画像化手法による断面補修部分の健全度評価に関する研究
Project/Area Number |
19760304
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡邉 健 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (50332812)
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Keywords | 超音波法 / 非破壊検査 / 断面修復 / 弾性波 / 空隙 / 剥離 / 反射 / 振幅 |
Research Abstract |
本年度は, 超音波を用いた非破壊検査手法を適用し, 鉄筋コンクリートスラブの断面修復後の欠陥箇所の検出について実験を実施した。 供試体として, 断面補修を施した900×900×150mmの供試体を作製した。断面修復箇所の厚みは約55mmであり, 鉄筋は断面補修材の中にかぶり30mmで埋設した。微細なひび割れや剥離を再現するために塩化ビニル板を用いて模擬し, センサを二つ使用する二探触子法とセンサを一つだけ用いる一探触示方によって模擬欠陥の検出を試みた。また鉄筋の影響を検討するために, 鉄筋直上での計測や, センサ位置を変更して計測を実施した。 今回の実験の範囲で得られた結果を以下に示す。 ・ 鉄筋が入っていなければ, 厚さ1mmの欠陥であっても検出は可能である。 ・ 鉄筋位置よりも深いところに空隙がある場合, 空隙からの反射波, 底面の反射の有無により, 計測条件によっては空隙を検出できる可能性がある。 ・ 鉄筋直上での計測する際, 一探触子法の計測では鉄筋位置より深いところにある空隙の検出は困難であった。 ・ センサの設置位置の影響は, 鉄筋をまたぐ形でセンサを設置することで, 欠陥の検出を容易にすることができるのではないかと考えられたが, 鉄筋の影響を受けてしまい, 欠陥検出は困難であった。 ・ 欠陥上にセンサを設置されていれば, 空隙の検出は可能である。また, 鉄筋の直上を避ければ鉄筋の影響を小さくすることができる。 今回の検討により, 超音波法を用いて断面補修部分の欠陥を反射波形により視覚的に検出でき, 健全度評価の可能性を示すことができた。また, 鉄筋が配筋されている箇所での影響を検討することができた。現状では補修後の点検・検査手法についての定量的な手法がないため, 本実験で得られた結果は非常に有意義であるといえる。
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Research Products
(3 results)