2008 Fiscal Year Annual Research Report
付着モルタルの捕捉水量が再生骨材コンクリートの強度・変形性状に及ぼす影響
Project/Area Number |
19760305
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐川 康貴 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10325508)
|
Keywords | 再生骨材 / 再生骨材コンクリート / 吸水率 / 単位総水量 / 強度 / 空隙量 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では, 今後, 発生量および利用量が増加すると予測される, 低品質〜中品質の領域に渡る品質の再生骨材を用いたコンクリートのモルタルおよびコンクリートの強度・変形性状の統一的評価手法の確立を目的としている。 本年度は, 再生細骨材を用いたモルタルの新セメントペースト部における空隙の粗大化のメカニズムについて明らかにするため, モルタル内の空隙の平面的な分布特性を画像解析法により調べた。また, 既往の水銀圧入法により得られた細孔容積との関係を明らかにした。また, 再生骨材コンクリートを用いた二次製品の耐久性について明らかにするため, 遠心力締固めにより製造した再生コンクリートポールの中性化及び塩分浸透性状について調査した。以下に, 主な成果を示す。 (1) 材齢1日のモルタルに対し, 蛍光樹脂を含浸させ, 蛍光顕微鏡から蛍光像を取得した結果, 再生細骨材を用いた場合に発色領域が大きく, 空隙がモルタル全体に分布していることを定性的に示した。 (2) 蛍光像の二値化処理を行ったところ, 本研究の範囲内ではしきい値を50に設定することにより, 観察倍率20倍の場合に, 10μm以上の空隙を判別することが可能であった。 (3) 再生細骨材(2種類)を使用したモルタルと海砂を使用したモルタルについて, 二値化像から10〜100μmに相当する空隙の面積を求め, 比較した結果, 再生細骨材を用いた方が空隙が大きいことが明らかとなった。 (4) 画像解析により得られた10〜100μmの空隙量とモルタルの圧縮強度を比較した結果, 空隙量が大きいほど強度が低下し, 両者には相関が認められた。 (5) 再生コンクリートポールは, 天然骨材を用いた場合に比べ, 細孔容積や塩化物イオン拡散係数が大きくなるものの, 天然骨材コンクリートと同等の強度レベルが得られるように配合設計を行えば, 著しい耐久性の低下は認められなかった。
|