2007 Fiscal Year Annual Research Report
塩害の生じた鉄筋コンクリート構造物における部材毎の劣化速度比較とその対策
Project/Area Number |
19760306
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮里 心一 Kanazawa Institute of Technology, 環境・建築学部, 准教授 (60302949)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 塩害 / 飛来塩分 / 付着量 / 部材形状 / 巻き込み現象 / 雨水洗浄効果 / 実験的検討 |
Research Abstract |
これまで、既存鉄筋コンクリート構造物に対する点検調査は、学識者ではなく主として実務者により行われてきた。その結果、同一の構造物においても塩害による劣化速度は部材毎に異なることが知られている。しかしながら、上記は経験的な知見であり、研究として整理・評価した事例は少ない。すなわち、構造物周囲の海風の巻き込み現象や雨水による構造物の洗浄効果などに着目し、部材毎の付着塩分量を比較・考察した研究は不足しているのが現状である。 上述の背景を踏まえて平成19年度の研究では、鉄筋コンクリート構造物における部材の凹凸などの形状に着目し、飛来塩分の巻き込み現象や雨による洗浄効果が塩分分布量に及ぼす影響を解明した。 そのため、構造物の様々な断面形状を模擬するため、予め木材にて作製された4つの形状を成す土台に対して、モルタル板を張り付けた供試体を作製した。これらを、人工的に一定量の飛来塩分を発生できる装置に暴露し、任意の期間が経過後に可溶性塩化物イオンを測定した。また、雨水の洗浄効果に伴う飛来塩分の脱塩程度を検証するために、暴露された供試体の上面より水道水にて24時間洗い流した後にも、同様に可溶性塩化物イオンを測定した。 その結果、(1)構造物の部位によって飛来する塩分の付着量に違いがあり、その量は飛来塩分発生側において高い、(2)塩分は凹凸部を含めた構造物全体に飛来するが、雨水による塩分の洗浄効果は凹部以外で高い、ことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)