2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震に弱い組積建物を廉価で簡単な方法で補強する設計ツールと普及のための教材の開発
Project/Area Number |
19760310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
マヨルカ パオラ The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特任助教 (10436579)
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Keywords | 地震防災 / 耐震補強 / 組積建物 / 設計ツール / 実験 |
Research Abstract |
FY20では、PP-bandを用いた簡易耐震工法の設計法を改善し、より詳細な設計の段階的手順を開発した。PP-bandを用いた簡易耐震工法を実際に家屋に適用する際に、その設計において最も重要となる要素は必要耐震性能と耐力低下の関係である。これらの算出にあたって、石積み構造と煉瓦積み構造の家屋を対象とした、予備的な定式を提案した。この定式は、小型供試体を用いた振動台実験の結果及びパラメータ研究をもとに構築した。パラメータ研究については、専用のプログラムを構築した上で、PP-bandによって補強された数個の構造物に対して、異なる強い地震動を与え、非線形時刻歴応答解析を行った。 また、PP-bandメッシュ等の補強材料を家屋に対して効果的に設置することを目的として、上記の振動台実験の結果を用いて詳細な設計勧告を検討した。具体的には、家の基礎部と屋根部における水平面に対する材料の固定法や、PP-bandメッシュ同士の接着法、メッシュの組積壁への取り付け法等について検討した。 最後に、今後の研究の方向性としては、1)PP-bandによって補強された構造物に作用する力と変形の関係を知るための5つのパラメータを算出するための定式の開発、2)組積壁の面外変形に対するより詳細な評価、3)許容最大変形量を判断する基準の作成、4)現在までの研究成果の解明を目的としたより多くのケースでのパラメータ研究の実施、である。
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