2008 Fiscal Year Annual Research Report
損傷を有するRC部材の修復後の性能評価に関する実験ならびに解析的研究
Project/Area Number |
19760320
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
伊藤 睦 Chubu University, 工学部, 准教授 (00345927)
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Keywords | 補修後性能 / 数値解析 / コンクリートモデル |
Research Abstract |
これまで, 損傷を被った既設構造物や修復後の構造物の性能照査は, 載荷実験が中心的な役割を担ってきた。しかしながら, 修復事例の増大が確実視される中で, 毎回載荷実験を行うことは現実的ではなく, 非線形数値解析による性能予測手法の確立が必要と考えられる。そこで本研究では, 既設構造物の長寿命化・リニューアル化に対する適切な技術判断を行うために必要な情報を提供することが可能な非線形解析技術の開発を目的とした。本年度では, これまで実験的研究により得られた知見に基づき, 初期載荷に導入された損傷やひび割れ注入後のコンクリートの挙動を材料レベルから考慮可能な解析モデルの開発を行った。構築した解析モデルを用いて, 過去の実験の数値シミュレーションを行った結果, せん断破壊したRCはり部材に対して, ひび割れ注入補修を施したRCはり部材の挙動を妥当な精度で予測可能であることが確認された。 上記の研究では, ひび割れが導入されたコンクリート材料の補修後の挙動評価を主たる目的に構成則の開発を進めているが, 鋼板巻きたて等による補強部材の挙動を精度良く評価するためには, ポアソン効果を考慮したコンクリートの構成モデルが必要とされる。これまで, 塑性理論に基づいた構成則は数多く提案されているものの, 本研究で提案するような直交異方性モデルを使用してポアソン効果が考慮できる構成モデルは, 構造解析に適用されるまでには至っていない。そこで本研究では, 直交異方性モデルを使用したポアソン効果が考慮可能な構成モデルの開発を行った。現時点では, 完成までには至っていないものの, 無筋コンクリートの一軸圧縮挙動を妥当な精度で予測可能な状況にまで至っている。
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Research Products
(1 results)