2007 Fiscal Year Annual Research Report
室内弾性波試験におけるインパルス応答の同定と受信波形のシミュレーション
Project/Area Number |
19760322
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
荻野 俊寛 Akita University, 工学資源学部, 講師 (80312693)
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Keywords | ベンダーエレメント / せん断波速度 / 室内弾性波試験 |
Research Abstract |
平成19年度は本研究で提案する手法の適用性を現有する実験装置をべ一スとして用い,提案する手法で求めたベンダーエレメント試験装置系のインパルス応答から,任意の送信波に対する受信波形が予測可能であることを実験的に立証した.まず始めに,本研究で提案する手法で前提条件となる送信波と受信波の間の線形関係を確認した.次にこれまで実施してきた予備研究から得られているパラメレタ値を用いて時間引き延ばしパルスの設計とインパルス応答の同定を行った.その結果,インパルス応答は逆フィルタと呼ばれる特殊な波形を畳込む信号処理を行なうことによって適切に同定されることを確認した.引き続き得られたインパルス応答を用いて,任意の送信波を送信した場合に得られる受信波形を計算によって求めた.シミュレートした様々な送信波に対する受信波を,対応する実験から得られた受信波形と比較した結果,両者は良好に一致することを確認した.さらに両者の一致度を高めるため,時間引き延ばしパルスを設計するためのパラメータの最適化を行った.パラメータを修正して実験を繰り返し,最も計算値と実験値が近似するようパラメータを最適化した結果,適切なパラメータ値と受信波形のスペクトルの関係を見いだした. 本研究の結果は系の線形性が成立するすべての室内弾性波試験において,インパルス応答から任意の送信波に対する受信波形を計算から求めることが可能であることを示している.またその物理的意味から,インパルス応答は室内弾性波試験の結果を表わす重要な指標となると考えられる.以上の研究成果はSoils and Foundations他に発表されている.
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