2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760323
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清田 隆 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (70431814)
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Keywords | 礫質土 / 微小変形特性 / 三軸試験 / 不撹乱試料 / 異方性 / S波速度 / ヤング率 / せん断剛性率 |
Research Abstract |
本研究では、水溶性ポリマー溶液を利用したサンプリング法により採取された高品質な不撹乱試料を用いた。土質試験特有の誤差であるベディングエラーの影響を受けない加速度計を用いた動的計測と、局所変位計(LDT)を用いた静的計測により、礫地盤の微小変形特性に及ぼす要因について総合的に検討した。 実験では、供試体を等方圧密・三軸圧縮させる過程において、微小変形特性(静的鉛直ヤング率、動的せん断剛性率)を計測した。微小変形特性の応力状態依存性に関して、鉛直ヤング率は鉛直応力σ_v'と対応することが知られているが、せん断剛性率についてはσ_v'だけでなく水平応力σ_h'も影響する。本研究では、応力状態パラメータを(σ_v'・σ_h')^<0.5>とすることで、異方応力状態でもせん断剛性率を適切に表せることを示した。応力状態依存性に関する係数mは、静的ヤング率ではm=0.5程度の値となり、砂質土の一般的な値と対応した結果が得られた。動的せん断剛性率ではm=0.3〜0.8の範囲にばらつく傾向が認められた。また、静的ヤング率から推定される静的せん断剛性率と動的せん断剛性率とを比較すると、動的せん断剛性率の方が高い値が得られた。これは、動的計測では相対的に硬い部分を通過したS波速度を反映しているという古典的な問題が原因であると考えられる。 平成20年度では、上記試料を含むさまざまな試料を用いて実験を行い、試料の物理的特性が微小変形特性に及ぼす影響を検討する。また、鉛直方向だけでなく水平方向に伝播する動的せん断剛性率も計測し、砂礫試料の初期構造異方性を検討する。
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