2008 Fiscal Year Annual Research Report
補強材のクリープ変形に伴う補強土のせん断強度の増加特性の評価に関する研究
Project/Area Number |
19760325
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河村 隆 Shinshu University, 工学部, 助教 (50324231)
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Keywords | 地盤工学 / 補強土 / ジオグリッド / クリープ変形 / 圧縮試験 / せん断強度 / 相対変位 / 鉛直応力 |
Research Abstract |
本年度は, アルミ棒積層体を用いた二軸圧縮・引抜き試験装置を用いて, 土中クリープを模擬するために, 補強材を引抜きながら軸圧縮を行う二軸圧縮・引抜き試験を実施した. 比較のため, 補強材を敷設しない場合(無補強)および敷設しただけの試験も実施した, 試験結果に基づいて, 補強材に土中クリープ変形が生じた場合の補強材のせん断強度について検討した. 得られた主な知見は以下の通りである. (1) 二軸圧縮・引抜き試験におけるせん断強度は, 無補強, 補強材を敷設しただけの場合, 補強材を引抜いた場合の順で大きくなる. 本試験においては, 補強材の引張り力が供試体のすべり面に直接影響しないように敷設したため, 破壊線は原点を通る直線として得られた. (2) 補強材を引抜いた場合の破壊時における補強材とアルミ棒積層体の平均相対変位は, 引抜き試験の破壊時の引抜き変位よりも大きく, 二軸圧縮・引抜き試験の破壊時においてもすべり面上の垂直応力は十分に増加していると考えられる. 一方, 補強材を敷設しただけの場合のせん断強度も, 無補強の場合よりも大きい. ただし, 平均相対変位が小さいにもかかわらず, せん断強度の増分は比較的大きい. したがって, 補強材の土中クリープ変形によって補強材と周辺土塊との間に相対変位が生じれば, せん断強度は増加すると考えられる. (3) 補強材の引抜きに伴う応力増加を考慮した補強メカニズムを提案した. 補強土構造物のすべり破壊を想定したすべり面上の垂直応力の分布をモデル化して示し, せん断強度の増分を定量的に示した.
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