2008 Fiscal Year Annual Research Report
海中構造物基礎周辺の洗掘機構の解明と流体・底質・地盤変動の統合解析モデルの構築
Project/Area Number |
19760335
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
楳田 真也 Kanazawa University, 環境デザイン学系, 講師 (30313688)
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Keywords | 海中構造物 / 海底地盤 / 局所洗掘 / 底質輸送 / 移動床流れ / 流体解析 / 水理実験 / 海岸工学 |
Research Abstract |
海岸・海洋構造物基礎周辺で発生する局所洗掘を正確に予測することは、構造物の安定性を検討する上で重要な課題である。従来、洗掘実験と共に、流体運動・底質輸送・底面地形変動の各要素の干渉過程を数値モデル化して解析する研究が進められてきた。しかし、その研究の大部分は河川流に代表される一方向流場における洗掘現象を対象とするもので、波浪場における構造物周辺の洗掘現象の予測に関する研究はあまり進んでいない。最近、海底パイプライン周辺の洗掘および海底掘削溝の埋没等の現象を断面2次元的にモデル化した研究成果が発表されたものの、複雑な流体・底質運動を伴う小口径構造物周辺の局所洗掘に関する3次元数値解析は稀少である。そこで本研究では、小口径構造物周辺に発達する馬蹄形渦や後流渦などの3次元渦運動を厳密に捉えた上で、底質輸送量の時空間分布と海底地形を評価する流体場・底質輸送・地形変動の3次元連成解析モデルを開発した。 流体運動・底質輸送・地形変動の相互作用を考慮するために、円柱壁面や移動床付近における境界層の剥離や再付着を伴う複雑な渦流れを厳密に解析するために有効な移動一般曲線座標系に変換したNavier-Stokes方程式に基づく3次元流体解析モデルに、掃流砂と浮遊砂の両方を考慮した底質輸送モデル、底質の体積保存式からなる底面地形解析モデルおよび底質の安定条件を考慮した斜面滑動モデルを組み込んだ。その結果、本モデルを用いて、既存の実験で観測されている静的および動的な洗掘地形の発達過程、底質輸送バランスおよび流況変化の主要な特性を良好に再現できることが分かった。ただし、洗掘の進行速度が過大評価される傾向があるため、今後さらに底質輸送モデルの改良を集中的に進めて、本モデルの信頼性向上を図りたい。
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Research Products
(3 results)