2008 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な地物情報の評価を可能とする新しい氾濫流解析モデルと氾濫被害軽減に関する研究
Project/Area Number |
19760341
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
内田 龍彦 Chuo University, 研究開発機構, 機構准教授 (00379900)
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Keywords | 氾濫流解析 / 破堤実験 / デカルト座標系 / 流体力 / 家屋群の評価法 / レーザ測量 |
Research Abstract |
我が国では, 今後気候変動による水災害の危険性の増加が科学的に説明されつつあり, ハード対策とソフト対策の連携をより一層強め, 水災害の被害を最小化する減災体制を構築することが喫緊の課題である. このためには, 洪水流や氾濫流の挙動を知ることのできる信頼性, 実用性の高い洪水氾濫解析法が必要である. 本研究では, 新しいデカルト座標系の河川流と氾濫流の連成解法を開発し, 詳細な非定常水理実験と比較し, 解析モデルを検証する. 家屋群の新しい抵抗評価法を構築し, 流体力実験結果と比較し検討することを目的としている. また, 氾濫流・洪水流解析データの取得に近年用いられるようになってきたレーザ測量データの活用手法を検討する. 本研究の主要な研究成果は以下の通りである. 1 分力計を取り付けた流体力計測模型を上方から吊るす方法により, 大型破堤氾濫流水路の任意の箇所の建物模型に作用する流体力を高精度で計測できることを示した. 建物模型に作用する流体力は, 非定常流においても, 建物周辺の静水圧差から求める静水圧モデルでほぼ評価できることを示した. 2 建物群を個別に評価する場合, 構築した数値解析モデルによって流体力時系列は概ね再現されることを示した. 建物群を群として評価する場合, 氾濫解析によく用いられる抗力係数モデルでは, 破堤氾濫流の挙動を表すことができない. 本研究で新たに提案した建物占有率補正法では, 建物群内の流体力の変動やフロント速度を概ね再現できることを示した. 3 地上レーザ測量データの特徴を明らかにし, 取得データの自動フィルタリング手法を提案した. また, それを用いた流れの解析を行い, レーザ測量データの有効性を示した.
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Research Products
(9 results)