2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760349
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
木岡 信治 Public Works Research Institute, 寒地土木研究所寒地水圏研究グループ寒冷沿岸域チーム, 主任研究員 (20414154)
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Keywords | 海氷 / 津波 / 衝突 / 衝撃 / 自由落下 / 脆性的破壊 / 個別要素法 |
Research Abstract |
氷海域において、低気圧に伴う海面上昇、波浪、津波にともなって氷盤が防波堤・護岸等を越える「越氷」や、陸への「遡上」により、港湾・海岸構造物、家屋などへ海氷が衝突する現象に関する要素実験(中規模度)として、自由落下による海氷衝突実験を実施した.海氷の衝突力は,運動エネルギとともに増加するが,ある程度運動エネルギが大きくなると一定値になること,また運動エネルギは,主に海氷の破壊・側方への飛散などに消費される割合が大きいことが推察された.衝突力は氷温の低下にともなって直線的に増加し,準静的に得られる一軸圧縮強度の氷温依存性よりも大きく,温度の低下に比例するとした引張に基づく力の氷温依存性と同等程度であった.これより,比較的小規模な氷塊については,引張による破壊が卓越し,Saeki et a1. (1978)に基づく引張応力に関連づけた衝撃力の概略推定が可能であることが分かった.また,衝突力は,運動エネルギの変化よりも氷温依存性の方が大きいことも推察された.これは,ある程度氷塊が大きくなると,その寸法に依存しないような有限の(引張)クラック長や,構造物規模できまる(圧縮)破壊領域に支配されている事を示唆しているとも考えられる.また,適切なパラメータ設定が実現できれば(特にパラメータを確率変数とし、バラツキを与える事など)、個別要素法により,海氷の破壊挙動とその構造物応答などが良好に再現できることが分かった.
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