2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントアプローチによる交通情報共有の効果分析
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19760355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊池 輝 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (00343236)
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Keywords | 交通情報提供 / マルチエージェント / 経路選択問題 |
Research Abstract |
本研究では,情報提供下において,複数の異質なドライバーが互いにどのように作用し,交通システム全体に対してどのように影響を及ぼしているのかを明らかにするために,個々のドライバーが自律的に学習・行動を行うマルチエージェントシミュレーションを構築し,分析した. 構築したシミュレーションを用い,エ-ジェントに与える戦略および学習について,関連既往研究を整理の上,以下のグループを設定し,数値実験を行った. (1)交通情報が提供されないグループ:経路に関する情報が一切提供されず,自らの走行経験のみを利用し,各経路の旅行時間を学習する. (2)個別情報が提供されるグループ:自らの走行経験に加え,従来型の個別情報が提供されるため,選択しなかった経路に関しても学習することが可能となる.ただし,経験による学習過程と,情報提供のみによる学習過程(選択しなかった経路の学習過程)は異なる. (3)情報が共有されるグループ:選択しなかった経路に関しても学習することが可能となることに加え,グループ内で経路情報が共有される. 情報の種類,有無によってエージェントのグループ化を行い,その存在割合を変化させた実験を行った結果,情報を持つグループの割合が増加するにつれ,システム全体として効率的に利用が行われるようになること,逆にその割合が少ないほど個人としては,情報を持つことによる大きな時間短縮効果が得られるということが示された.
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