2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760359
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
榊原 弘之 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90304493)
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Keywords | 参加型計画 / 政策コンフリクト / 合意形成 / 互恵的関係 |
Research Abstract |
平成21年度は平成20年度に提案した「政策コンフリクトモデル」と,モデルに基づいて参加者間の関係を分類するプログラムを,実際の参加型計画の事例に適用し,その実効性を検証した.適用対象は,地方都市の生活交通計画と,インドネシアにおける廃棄物処理施設計画を巡るコンフリクトである.その結果,各事例において,参加者間の関係を類型化することができた.また各類型別に協調関係を成立させるための方策を明らかにすることができた. 一方,事例適用の結果,以下の点について,モデルの改善が必要なことが明らかとなった. 1. 参加者の関心事は,「具体的な行動に直接対応している関心事」「具体的な行動に直接対応していない関心事」に二分され,「具体的な行動に直接対応していない関心事」については関心事の再構成の作業が必要なこと 2. 2つの関心事を想定した場合,関心事の意味内容より,(1)互いの実現性が独立なケース,(2)一方の関心事の実現の帰結として他方の関心事が実現するケース,(3)互いに両立不可能なケースの3種類が存在し特に(3)のケースでは,互恵的関係の形成は不可能であるため,参加者間の協力は困難となること 3. 実際の事例においては,関心事を実現するために複数の主体の協力が必要なケースが非常に多いこと以上の点を踏まえて,政策コンフリクトモデル及びプログラムの改善を行った.その上で,本研究の取りまとめを行い,国内外の学会で成果発表を行った.さらに,和文,英文の各ジャーナルへ論文投稿を行った.
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Research Products
(2 results)