2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス外套タンパク粒子を用いたノロウイルスの浄水処理性の検討
Project/Area Number |
19760368
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 拓 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30283401)
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Keywords | ノロウイルス / VLP / 凝集沈澱処理 / 急速砂ろ過 / MF膜ろ過 / 大腸菌ファージ / ゼータ電位 / 不活化 |
Research Abstract |
微生物(原虫,細菌,ウイルスなど)を用いた水処理実験を行う際には、実験に先立ち、対象微生物を培養し、大量のストックソリューションを作成する必要がある。ところが、ノロウイルスは、これまで多くの努力が払われてきたにも関わらず、未だ細胞を用いた培養が確立されておらず、ウイルズの大量培養ならびに添加実験が極めて難しい状況にあるのが現状である。近年、培養不能なノロウイルスの構造や抗原性を調べるため、ウイルス外套タンパク(VLP:Virus Like Particle)を遺伝子組換え生物を用いて発現させる手法が確立された。また、発現されたVLPを用いることによりノロウイルスの酵素免疫測定法が開発され、現在では検出キットが市販されるようになった。本研究では、VLPを用いてノロウイルスの室内水処理実験を行うことを目的とした。 病原性ウイルスの浄水処理における代替指標としてわが国で用いられることの多い大腸菌ファージQβと、欧米諸国で用いられることの多い大腸菌ファージMS2の凝集-沈澱-砂ろ過での除去率を比較したところ、MS2に比べてQβの除去率が2log程度大きいことが分かった。PFU法(プラック形成法)とPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)による測定結果を比較することにより、2つの大腸菌ファージの除去率の差異は、凝集処理時の不活化作用の受けやすさに起因することが示唆された。また、ノロウイルスの浄水処理性を、VLPを用いて調べた。その結果、凝集-沈澱-砂ろ過での除去率が、大腸菌ファージQβやMS2より低い可能性があることが分かった。
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