2007 Fiscal Year Annual Research Report
鋼構造梁端混用接合部における梁ウェブ高力ボルト摩擦接合部の力学挙動に関する研究
Project/Area Number |
19760378
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中野 達也 Utsunomiya University, 工学部, 助教 (00361361)
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Keywords | 建築構造 / 鋼構造 / 梁端混用接合部 / 高力ボルト摩擦接合 / 最大曲げ耐力 / 梁ウェブ接合効率 / 有限要素解析 / 実大曲げ実験 |
Research Abstract |
梁端混用接合部は1つの接合部内に連続型の梁フランジ溶接接合部分と離散型の梁ウェブ高力ボルト摩擦接合部分が存在しており,これらの間の変形適合挙動が複雑であるため,最大曲げ耐力の理論的評価は極めて難しい.2007年度は,梁フランジ溶接接合部分と梁ウェブ高力ボルト摩擦接合部分の変形適合挙動を明らかにすることを目的として,接合箇所を解析変数としたFEM解析を行った.検討結果をまとめると以下のようになる. 1.梁フランジ・ウェブ共に接合した場合と梁ウェブのみ接合した場合を比較して,同一変形時の高力ボルト摩擦接合部の高力ボルト1本当たりの負担耐力を検討した.せん断負担耐力について,梁フランジ・ウェブ共に接合した場合はボルト位置によらずほぼ均等であるのに対し,梁ウェブのみを接合した場合は中央部に比べて最外縁の方がせん断負担耐力は小さくなる.曲げ負担耐力については両者に大きな違いはなくほぼ同程度である. 2.梁フランジ・ウェブ共に接合した場合と梁フランジのみ接合した場合を比較して,梁フランジ接合部分の歪性状および負担曲げ耐力を検討した.梁ウェブを接合しない場合の方が同一変形時の歪集中位置での歪度は大きくなり,負担曲げ耐力も大幅に小さくなる. 3.接合部全体の曲げ耐力から梁フランジ接合部分と梁ウェブ接合部分それぞれの負担曲げ耐力を算出する方法としては,梁ウェブのみ接合した試験体との変形適合条件を用いる方法が妥当である.ただし,高力ボルト1本当たりの応力負担状況が異なるため,せん断スパン比が小さい場合,高力ボルトのせん断破断によって決まる最大曲げ耐力には大きな違いが生じることが予測される. なお,本年度中に実大曲げ実験を行い実験結果を検討する予定であったが,試験体および実験装置の製作が遅れ実験結果の解析が不十分である.今後,早急に実験結果の検討を行う予定である.
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